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楽しい話しか読みたくない方は、この文を読まないほうがいいです。



とても悲惨な事件が10月2日、アメリカ・ペンシルバニア州で起きました。

10人の女子児童が学校の教室で顔見知りの男(3人の子供の父親でもある)に監禁され
5人が射殺されました。今も入院している子供もいます。
単独犯人のチャールズ・カール・ロバーツ4世(32)は、警察の突入を前に自殺したそうです。

アーミッシュの学校で5人を射殺 米ペンシルバニア (CNN.co.jp: 2006-10-3)

この事件を取り上げるのには理由があります。
アメリカやイギリスの児童書を読んでいると、学校が舞台になっている場合が多いです。
また、友人との楽しい行動や、地域での探偵ごっこ、同級生や上級生によるいじめ等、
現実に即した問題を含め子供たちに情報提供していることが多いです。
貧困や、人種差別、そういったものも取り上げられている作品もあります。
このブログでも、レビューを書いてきたつもりです。

でも、今回のような内容の本を読んだことがありません。
子供の責任ではなく、大人たちの責任の話だからかもしれません。

悲惨な話ですが現実に発生しているのですから、今の子供たちの不安背景としての事実を
英文児童書を読む者として、理解している必要もあると思うのです。

今回の事件はその残虐性と同時に、原理的な宗教のかかわりもありアメリカ本国でも
考えさせられる問題となっているようです。

アーミッシュというキリスト教のなかのひとつの集団の子供たちが今回の犠牲者です。
アーミッシュという団体についてはネットや書籍等で、ご自分で調べて下さい。
私もいろいろ調べているところです。

注目すべきことが現在まで、ふたつ報道されています。

ひとつは、監禁された女子児童のなかの年長の少女(13)が、犯人ロバーツに対して
殺すなら私を殺せ、他の子供たちはそのままにして欲しいと志願したことです。

もうひとつは、こうした悲惨な事件を起こしたロバーツの親族に対して、
犠牲となったアーミッシュたちは糾弾するのではなく、forgive したことです。
犯人ロバーツの葬儀にも多数(数十人)のアーミッシュが参列したと報道されています。

例えば、テキサスでブログを書いているこの人は、今回の事件に対して
キリスト教徒ではないのに、深く慈悲している発言を書いています。
About The Amish School Shootings (jobsanger: 2006-10-7)

年長の少女が示したと言われる態度 "the selfless courage" と
アーミッシュたちの態度、
"They (Amish) have even reached out to the family of the shooter." について

"but it can be very difficult to follow a religion that teaches peace and forgiveness in trying times such as these. "
と書いています。

たぶん、当事者であるアーミッシュにしてみれば、
こうした態度は "the will of God" と言うのではないかと思います。

衣服にボタンやジッパーを使うことを回避する人々もいるアーミッシュ。
自動車も電話も普段利用しない人たちが多い彼らの生活。教室はセキュリティ的観点からすれば無防備だったと言われています。
しかし、彼らにしてみれば、キリストに近づくために、その愛と安寧を得るために比べれば
不自由や犠牲をいとわない(そもそも不自由や犠牲とは考えないのでしょう)のかもしれません。

今回の件とは関係ありませんが、宗教というくくりのなかで
その主張が突出している場合もあるわけで
女性の中絶を認めないというキリスト教徒のブッシュ有力支持者たちもいるわけです。
中絶手術を行う医師をネット上にリストアップし
医師が何者かによって殺害されるという事件も過去に起きています。
単純に「アーミッシュだから」「◯◯教徒だから」とくくるのも難しいような気がします。

この事件が起きた週は、アメリカ国内で他にも2件の学校襲撃があったそうです。
日本でもすでに学校(児童)襲撃は起きています。

ひどい世の中だからこそ、
楽しくて笑える英文児童書を読みたくなるわけですが、
社会を構成しているひとりの国民として考えさせられる事件でもあります。

価値観の差異という、英語を学ぶ者にとっても焦点をあてるべき事件だと思います。
犯人ロバーツの動機と思われる、生後20分で死別した長女の思い出や
少年時代の性衝動の記憶(妄想かも)。妻に書いた遺書の一部公開。
日本のニュースでは数日経過したせいか、その後深く取り上げられていませんが
アメリカを揺り動かしている事件のような気がします。

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3つのキーワード 「 Amish school shooting 」 で検索すれば
英文ニュースと英文ブログがたくさん抽出されます。
ニュースサイトだと、読めなくなる場合があるので、
ウェブ魚拓というキャッシュサイトを利用してリンクをいくつか張っておきます。
参考にしてみてください。

Amish mourn gunman in school rampage
(USATODAY: 2006-10-7)

Amish School Survivors Struggle After Killings
(NewYork Times: 2006-10-6)
被害者親族へのインタビューやアーミッシュ男性のインタビューを載せている。学習者向けのページに配置。

Shooter's relatives: No recall of being molested
(USATODAY: 2006-10-5)
犯人自ら明かした20年前の少年時代の性衝動の件を当事者にインタビュー(否定している)

Toxic mix of emotions boiled within devoted dad, husband
(USATODAY: 2006-10-5)
性的行動も計画していたと想像させる物的証拠など、事件の内容をあからさまに書いている。

US killer in sex abuse confession
(BBC NEWS: 2006-10-3)
動機や被害状況、ブッシュ大統領の反応など、全体像が整理されている

US school shootings
(BBC NEWS: 2006-10-2)
コロンバイン高校など、今までの学校(関係者)襲撃の経緯

Who are the Amish?
(BBC NEWS: 2006-10-2)
事件のあった地域の人々は、子どもたちは13歳まで共同クラスで学んだり、女性は髪の毛を切らない、男性は結婚したらひげをはやすなど、アーミッシュの生活様式などを解説。ただ約20万人の全体の統一したルールがあるわけではなく、独自性があり、電話や電気を利用しているグループもあることを紹介(今回の事件は電話で通報されている)。多くの家庭では猟のために銃を所持・使用している。

事件6ヶ月後、ワンルーム学校を新設

更新:2006/10/09 16:00
更新:2006/10/11 20:00
更新:2007/04/05 17:00
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